企業活動において、コスト、いわゆる「おカネ」はとても大切です。
これは誰もが納得する事実ではないでしょうか。
そして、私も含めた多くの上司は、コスト(会社のおカネ)にとてもうるさいです。
本日は、なぜ上司がコストにうるさいのか? についてお話ししたいと思います。
以下、私の考えをぶつけていきます。
会社の「おカネ」とは
会社の「おカネ」は大雑把に以下の3つに分類できます。
- コスト:商品を生産するために必要な費用。 原価。 生産費。
- 経費:ある事を行うのに必要な費用。
- 投資:利益を得る目的で、資金を証券・事業などに投下すること。
出典:大辞林
少し説明します。
コスト
メーカー(製造業)などで製品を作るために必要となる費用。
部品代はもちろん、製品を作るために「直接働く従業員」を雇用する費用=労務費などをコストととらえる場合もあります。
経費
会社の中でもっともよく使われるおカネ。
文房具とか交通費など社員が使うおカネや、外注費や派遣社員を雇うおカネなどたくさんの種類があります。
労務費もこちらに含まれることが多いです。
経費削減というフレーズが示すとおり、この経費は、会社がコストダウンを行う時に一番に「やり玉」にあげられるおカネでもあります。
投資
会社の将来の成長のために使われるおカネ。
通常、設備(有形固定資産)やソフトウェア(無形固定資産)を購入することを投資といいます。
最大の特徴は、
有形固定資産や無形固定資産は、減価償却資産と呼ばれ
「時間が経つことで価値が減少する」ことです。
<例:ソフトウェアを購入した場合>
5年間で償却されることが法律で定められています。
100万円自体はすぐに支払うのですが、
会社の会計処理上は、毎年20万円を5年間支払い続けることになります。
ここが、減価償却のややこしいところです。
100万円を投資すると判断したら、
毎年20万円の支払いが5年間確定してしまう=毎年20万円の費用を使うということを頭に入れて、より慎重な判断をしなければなりません。
手持ちのキャッシュ(おカネ)と減価償却の関係などは、
機会があれば記事にしたいと思います。
なぜ上司がコストにうるさいのか?
あらためて本題です。
なぜ上司はコストにうるさいのか?
その理由はただ一つ、会社と社員を守るためです。
(正直、コストを削減したからといって上司の給料は増えません。)
特に最近の日本の企業の多くはとても厳しい競争にさらされています。
わたしの会社もいわゆる大企業(誰もが知っている会社だと思います)ですが、本当に危機感を抱いています。
多様化するお客様のニーズにくわえて、環境対応など社会のニーズも日を追うごとに大きくなってきています。
環境対応には多額のおカネが必要となり、企業活動に大きな影響をあたえます。
また、こういった危機感に対して、経営層と一般社員の認識がズレている、
すなわち、経営層の危機感は大きく、反対に一般社員の危機感は乏しいということにも、私は不安を感じています。
「のほほん」としていたら、本当に10年後20年後は会社がなくなってしまうかもしれません。
削減したコストの使い方
私の部署は管理部門(サポート領域)であり、直接的にお金を稼ぐことができません。
だから、より一層コストに厳しくあらねばなりません。
我々が切り詰めたコストはどうなるのか?
その答えは、お金を稼ぐことができる事業部門に回すのです。
これらは生き金(いきがね)として、将来への投資、新製品の開発、お金を稼ぐ事業部門の活動資金となります。
もちろん事業部門も、無駄なコストは削減し、このような将来に向けた取り組みに大きく費用を回していきます。
全ては会社が生き残るためなのです。
なぜ会社は生き残らなければならないのか?
それは・・・もうおわかりになると思います。
会社がなくなってしまった場合、社員は給料をもらうことができなくなり、社員のご家族も含めて本当に大変なことになってしまいます。
まとめ
本日は、なぜ上司はコスト(会社のおカネ)にうるさいのか?についてお話ししました。
社員の方にとって、会社がなくなってしまうのは本当に大変なことです。
そうならないために、上司は今日も「コスト、コスト」と言うのです。
もし皆さんの上司が、コスト、コストとうるさかったとしても、
「上司は会社と社員のことを考えている。」と、ほんの少しだけ温かい目で見てもらえれば嬉しいです。
それでは、また。
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